災害保険 Accident insurance
災害保険概要
大規模災害が発生しますと政府は災害救助法にもとづき暫定対応を行いますが、個々の資産財産は自助努力を原則とします。 国は個人の私有財産の補填、個人資産への公的資金の投入は原則せず、災害保険加入による財産保全が基本です。 これから、過去の災害の事例を参考に保険について検討してみましょう。
り災証明
自然災害に見舞われましたらその損害の状況を第三者に証明できます。いわゆるり災証明です。 お住いの市区町村役所に出向きり災証明申請の手続きを行いましょう。
災害対策基本法第90条の2 市町村長は、当該市町村の地域にかかわる災害が発生した場合において、当該災害の被災者から申請があつたときは、遅滞なく、住家の被害その他当該市町村長が定める種類の被害の状況を調査し、り災証明書(災害による被害の程度を証明する書面)を交付しなければならない。
りさい証明書 地震や風水害などの災害によって住んでいる家屋が被災した場合、被害の程度を区市町村長が証明するものです。給付金や融資、災害義援金の受給、税金、国民健康保険などの支払い猶予や減免、公的利用サービス料の減免、保険金の支払い請求、応急仮設住宅への入居申請などに必要となります。
りさい証明書の判断基準 各種被災者支援策適用の判断材料として幅広く活用されています。りさい証明書の発行は、区市町村の職員が判定し、住宅(持ち家、賃貸住宅)の被災程度によって表のような区分です。詳細は在宅地の区市町村に確認してください。
災害救助法
自然災害の基準規模により災害救助法の適用されます。
災害救助法 適用基準 災害救助法による救助は、災害により市町村の人口に応じた一定数以上の住家の滅失がある場合等(例 人口5,000人未満 住家全壊30世帯以上)に行う。
この適用により各保険会社の特別措置が実施されます。
保険料払込猶予期間の延長。
保険契約者からのお申し出により、保険料の払込みについて、猶予する期間を最長6ヵ月延長。
保険金・給付金、契約者貸付金等の簡易迅速なお支払い。
申請により、必要書類を一部省略する等により、簡易迅速な支払い。
地震保険法
目的 第1条 この法律は、保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険することにより、地震保険の普及を図り、もつて地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする。
定義 第2条 この法律において「保険会社等」とは、保険業法(平成7年法律第105号)第3条第5項の損害保険業免許もしくは同法第185条第5項の外国損害保険業免許を受けた者もしくは同法第219条第5項の免許を受けた者の社員(第9条の2において「保険会社」という。)または他の法律に基づき火災にかかわる共済事業を行う法人で財務大臣の指定するものをいう。 改正 平9法102 改正 平11法160
2 この法律において「地震保険契約」とは、次に掲げる要件を備える損害保険契約(火災にかかわる共済契約を含む。以下同じ。)をいう。 一 居住の用に供する建物または生活用動産のみを保険の目的とすること。 二 地震もしくは噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」という。)を直接または間接の原因とする火災、損壊、埋没または流失による損害(政令で定めるものに限る。)を政令で定める金額によりてん補すること。 三 特定の損害保険契約にふ帯して締結されること。 四 ふ帯される損害保険契約の保険金額の100分の30以上100分の50以下の額に相当する金額(その金額が政令で定める金額を超えるときは、当該政令で定める金額)を保険金額とすること。
3 この法律において「保険」、「保険金」または「保険責任」とあるのは、共済契約については、それぞれ「共済」、「共済金」または「共済責任」と読み替えるものとする。
自然災害保険
水害 風害 落雷 住宅の水害、風害及び落雷はおおむね火災保険が該当します。各保険会社の補償範囲には個々の特約があります。 2016年10月現在の保険補償内容です。 台風、暴風雨、豪雨を原因とする水害 住宅総合保険 オールリスクタイプの火災保険。 家財損害は家財保険を入っていないと補償不可。 台風・竜巻等による風害 住宅火災保険 住宅総合保険。 少額の損害からの補償となりつつあります。 落雷 衝撃で建物に損害 火災保険。 家財損害は、家財保険に入っていないと補償不可。
地震(倒壊 地震火災 津波 噴火) 地震による倒壊、破損(振動)。
地震により転倒したストーブによって生じた火災による焼損(振動)。
地震による津波によって生じた流失、倒壊。
噴火に伴う溶岩流、噴石、火山灰や爆風によって生じた倒壊、埋没。
噴火に伴う火砕流によって生じた焼損。
地震や噴火の結果生じた土砂災害による流失、埋没。
地震保険備考 ●地震保険の対象は居住用の建物と家財です。 ●地震保険法に基づき、政府と損害保険会社が共同運営。 ●加入方法や保険料は各社一律(火災にかかわる共済事業を行う法人で財務大臣の指定するもの) ●地震・噴火・津波を原因とする火災被害は、火災保険ではない ●地震保険は単独加入不可。火災保険のセット加入(火災保険の保険金額の30~50%)(限度額、建物5,000万円、家財1,000万円) ●地震保険 最高5000万円(建物評価額の半額が限度) 建物評価額が2億円は5000万円。建物評価額が2000万円は1000万円。 ●居住用建物及び家財のみ商用目的は該当しない。 ●全損地震保険金額 100% 半損地震保険金額 50% 一部損地震保険金額 5% ●地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任の一定額以上の巨額な地震損害を政府が再保険することにより成り立っています。
損害判定
建物 ●全損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の50%以上である損害、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上である損害。 ●半損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の20%以上50%未満である損害、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上70%未満である損害。 ●一部損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の3%以上20%未満である損害、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水を受け損害が生じた場合で、全損・半損に至らないとき。
家財 ●全損 地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の80%以上である損害。 ●半損 地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の30%以上80%未満である損害。 ●一部損 地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の10%以上30%未満である損害。
地震保険割引制度
下記4つの割引があり重複不可です。
建築年割引 割引:10% 適用条件 1981年6月1日以降に新築された建物 必要書類 ●建物登記簿謄本(写) ●建物登記済権利証(写) ●建築確認書(写)
耐震診断割引 割引:10% 適用条件 地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法における耐震基準を満たす 必要書類 ●耐震診断の結果により、国土交通省の定める基準(2006年国土交通省告示第185号)に適合することを地方公共団体、建築士などが証明した書類(写) ●耐震診断または耐震改修の結果により減税措置を受けるための証明書(写)●(耐震基準適合証明書、住宅耐震改修証明書、地方税法施行規則附則に基づく証明書
耐震等級割引 耐震等級3:50% 耐震等級2:30% 耐震等級1:10% 適用条件 品確法に基づく耐震等級(構造く体の倒壊等防止)を有している場合 必要書類 ●品確法に基づく住宅性能評価書(写) ●「耐震診断による耐震等級の評価指針」に基づく耐震性能評価書(写) ●長期優良住宅の認定申請の際に使用する品確法に基づく登録住宅性能評価機関が作成した「技術的審査適合証」(写) ●認定通知書など長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく認定書類(写)および「設計内容説明書」など耐震等級を確認できる書類(写)
免震建築物割引 割引:50% 適用条件 品確法に基づく免震建築物 必要書類 ●品確法に基づく住宅性能評価書(写) ●長期優良住宅の認定申請の際に使用する品確法に基づく登録住宅性能評価機関が作成した「技術的審査適合証」(写) ●認定通知書など長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく認定書類(写)および「設計内容説明書」など免震建築物であることを確認できる書類(写)
品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律) 第一章 総則 第一条 (目的) この法律は、住宅の性能に関する表示基準及びこれに基づく評価の制度を設け、住宅にかかわる紛争の処理体制を整備するとともに、 新築住宅の請負契約または売買契約におけるかし担保責任について特別の定めをすることにより、住宅の品質確保の促進、 住宅購入者等の利益の保護および住宅にかかわる紛争の迅速かつ適正な解決を図り、 もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。