
放射能 Radioactivity
現在の放射能分布
放射能
放射線を出す物質を放射性物質といい、放射性物質は放射線を出しながら壊れていきます。 この放射線を出す能力を放射能といいます。放射能の強さが半分になるまでの時間を半減期といいます。
半減期
ラドン220 | 55.6秒 |
ヨウ素131 | 8日 |
セシウム134 | 2.1年 |
セシウム137 | 30.2年 |
プルトニウム239 | 24000年 |
放射線
主な放射線
高エネルギーで高速で飛ぶ粒子(粒子線・・・α線 β線 中性子線)
高エネルギーで短い波長の電磁波 (電磁波・・・γ線 X線)
放射線測定器はγ線を検出するものが多い。
放射線単位
グレイ(Gy) 放射線がものや人に当たった時に、どれくらいのエネルギーを与えるかを表す単位。
シーベルト(Sv) 放射線が人に対して、がんや遺伝性影響のリスクをどれくらい与えるかを評価するための単位。
ベクレル (Bq) 単位時間に放射性崩壊する原子の個数を示す単位。 1ベクレルは1秒間に1個の原子核崩壊を起こし放射線を発する強さ(能力)。
沸騰水型軽水炉 BWR
沸騰水型軽水炉 主要系統図
核分裂反応によって生じた熱エネルギーで軽水(普通の水)を沸騰させ、高温・高圧の蒸気として取り出す原子炉。
炉心で取り出された蒸気は湯分分離器、蒸気乾燥機を経てタービン発電機に送られ電力を生ずる。 原子炉としては単純な構造。
加圧水型軽水炉(PWR)は原子炉炉心に接触した水の蒸気を直接タービンに導かないこと、 蒸気発生の仕組みの相違、放射能管理区域の縮小、原発作業員の被ばく低減、廃炉にしやすいことを除き、 沸騰水型軽水炉と原理は同じ。
被ばく量の影響
身の回りの放射線被ばく
チェルノブイリ原発事故 経過時間による疾患発生状況
ベラルーシ 甲状腺がん
身近で原発事故が発生したら
ヨウ素を摂取する。
事故後露出してある食べ物、飲み物を摂取しない。
直接呼吸をしない。
原発から離れる。
上記4項目が基本です。4項目の留意点を挙げます。
●ヨウ素を摂取する ●事故後露出してある食べ物、飲み物を摂取しない
カリウムヨウ化物サプリ
事故が生じた場合、放射性ヨウ素を含む核分裂生成物を環境中へ放出します。
核分裂生成物のうち放射性ヨウ素が、呼吸や飲食物を通じて人体に取り込まれると甲状腺に集積し、 放射線被ばくの影響により数年~数十年後に甲状腺がん等を発生させる可能性がある。
この甲状腺被ばくは、安定ヨウ素剤を事前に服用することにより低減することができる。
安定ヨウ素剤とは、放射性でないヨウ素を内服用にヨウ化カリウムのような形で製剤化したものである。
放射性ヨウ素が体内に取り込まれる前に安定ヨウ素剤を服用すると、 血中のヨウ素濃度が高くなり甲状腺ホルモンの合成が一時的に抑えられ血中から甲状腺へのヨウ素の取り込みが抑制される。
また、血中のヨウ素濃度の大半を安定ヨウ素で占めることにより、 甲状腺への放射性ヨウ素の到達量を低減させることができる。
●直接呼吸をしない
原発事故周辺では大気中に放射性ヨウ素が含まれています。ぬれたタオルを鼻と口にあてるなど対策が必要です。 粉じんをふせぐN95マスクなどで放射性ヨウ素の吸収を防ぎましょう。
●原発から離れる
最も確実に被ばくを防ぐ方法は原発事故現場から距離をおくことです。早急な避難が必要です。 福島原発事故において大渋滞が発生し非難が遅延する報道が流れました。 避難行動全般にいえますが経路は複数選定しておくことが渋滞を回避し渋滞そのものを発生させない配慮となります。
また、放射性ヨウ素の拡散を風向、風速で確認し避難先を選定します。 避難距離においてはそれぞれに安全であると判断できるところまで避難しましょう。 福島原発事故の立ち入り制限区域は日本政府は30kmでしたがアメリカ政府は100kmと国や個人により見解は一定ではありません。
秋月辰一郎医師の被ばく対策
秋月辰一郎 長崎県出身 医師 1916年 - 2005年
長崎へ原爆が投下された当時、自らも被ばくしながら、医師として負傷した被ばく者の治療にあたった。
「わかめのみそ汁と玄米食」で自分の結核を克服したと信じていた秋月医師は、 スタッフ全員に「わかめのみそ汁と玄米食」を勧めていた。
また砂糖(甘い物)は避けるように指示した。そのおかげで、医師・看護師らは獅子奮迅の働きで多くの命を救い、 原爆症を発症したスタッフは一人もいなかったという。
この秋月辰一郎氏の放射能対策は、ネット上でよく見受けられますが、 医学的な裏付けがないことには注意しなければなりません。 ワカメのみそ汁と玄米食は健康を害するものではないですが過度の塩分摂取は胃がんの原因になります。 リスクの軽減には放射線から遠ざかるのが一番です。また、 ビタミンCをはじめとする抗酸化物質が放射線被ばくの障害を強力に防ぐことが医学論文より証明されており被爆された方は摂取を推奨します。
広島原爆体験者の食養
広島の原爆では、9歳で被爆した少女が玄米食で奇跡的に回復し、その後結婚されて7人もの子宝に恵まれた。
佐和子さんは外で遊んでいる時にピカドンの爆風で飛ばされ、屋根から転がり落ちてわれに帰った。
足の裏まで焼けた全身やけど(髪の毛も眉毛も黒こげ)のなか、必死の思いで母親を見つけ出した。
全身に水をかけられ病院に運ばれ即入院。奇跡的に一命を取りとめたものの、 ケロイド(やけどの傷跡)は切っても切っても盛り上がり、夏場はその傷口からウジがわいて、 そのウジを取って暮らすのがつらかったという。
高校生になるまで、母親は佐和子さんに鏡は一切使わせなかった。こんな醜い顔では結婚もできない。 原爆症で白血球も肝機能も低下し、生きる支えはただ一つ、勉強して研究者になり原爆・放射能の研究をしようという思いだった。
彼女は猛勉強をして広島大学工学部に入学、放射能の研究一筋の生活に入った。 そして玄米食をしていた平賀先生と巡り合う。先生は暇さえあれば佐和子さんを山へ連れ出し、 山菜や薬草を取りに行き、「玄米を食べて治らない病気はない。体の浄化作用をするのは玄米の働きだから、 玄米を食べれば原爆症だって治る」と言って玄米食を勧めた。
その言葉を信じて玄米食を始めた佐和子さんの体に、数カ月で変化が起きた。 あの焼けただれたケロイドの肌がポロポロと剥がれ落ちてきたのだ。 髪の毛も眉毛も元通りに戻った。
そして平賀先生と結婚、7人の子供を生み育てたのだ。
医学的な裏付けがないことには注意しなければなりません。
継続的な低線量被ばくへのビタミン ミネラル群
2016年現在も東北、関東における放射能汚染は続いております。 原発事故前の放射線量は日本各地で0.04マイクロシーベルト程度でしたが現在は散発的に0.5マイクロシーベルトが観測されています。 このような低放射線を継続的に被ばくし続けることに対する基本的な対応として、 食事からでは摂取の難しい抗酸化物質(ミネラル、ビタミン)をサプリメントで補う工夫が必要とされます。
抗酸化およびその能力を高める栄養素(サプリメント等)の摂り方 提唱する栄養素と摂取量(1日あたり)
ビタミンC | 50~100mg/kg/日 |
亜 鉛 | 0.5~1.0mg/kg/日 |
セ レ ン | 3~5μg/kg/日 |
マグネシウム | 5~10mg/kg/日 |
ビタミンE | 5~8IU(5~8mg)/kg/日 |
L-システイン | 3~5mg/kg/日 |
例:60kg成人のビタミンCは3000~6000mg、20kgの子どものマグネシウムは100~200mg。
総合マルチミネラルビタミンタイプからの摂取を推奨します。
総合マルチミネラルビタミンタイプで摂れば他にも下記の栄養素を摂取できます。
カルシウム・マグネシウム | ストロンチウムを抑制 |
銅・マンガン | 亜鉛とともにSOD酵素を活性 |
カリウム | セシウムを抑制 |
ビタミンA(ベータカロテン) | 抗酸化ビタミン |
ビタミンB群 | 特にビタミンB3が放射線障害から保護(B群は複合摂取が理想) さらに抗酸化予備能力を高めるためにはタウリン併用が理想。(1日3000mg以上) |