竜巻 突風 Tornado Gus
現在の竜巻情報
竜巻 ダウンバースト ガストフロント 発生の仕組み
発達した積乱雲からは、竜巻、ダウンバースト、ガストフロントといった、激しい突風をもたらす現象が発生します。 主な突風の種類は以下のとおりです。この他に晴れた日の日中などに地表付近で温められた空気が上昇することにより発生する「じん旋風」などがあります。 なお、竜巻発生確度ナウキャストや竜巻注意情報では、「激しい突風」をイメージしやすい言葉として「竜巻」を使っていますが、 ダウンバーストやガストフロントに対する注意も含まれています。
(a)竜巻 概要竜巻は、積雲や積乱雲に伴って発生する鉛直軸を持つ激しい大気中の渦巻きが地上に達しているものである。 漏斗状または柱状の雲を伴うことがある。多くの場合、竜巻の直径は数十~数百mで、数kmに渡ってほぼ直線的に移動する。 移動速度は時速数十km程度のものが多いが、中にはほとんど動かないものや時速90kmと非常に速い場合もある。 被害地域は帯状になる特徴がある。
(b)ダウンバースト 概要ダウンバーストは、積雲や積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れである。 吹き出しの広がりは直径数百 m から 10km 程度である。その広がりの大きさが 4km 以上のものをマクロバースト、 4km 未満のものをマイクロバーストと分類することがある。被害地域は面的に広がる特徴がある。
(c)ガストフロント 概要ガストフロントは、積雲や積乱雲の下で形成された冷たい空気のかたまりが、その重みによって周辺に流れ出ることによって発生する。 流れ出る空気の先端は冷気と周囲の暖かい空気との境界であり、突風を伴うことからガストフロント(突風前線)と呼ばれている。 水平の広がりは竜巻やダウンバーストより大きく、数十 km 以上に達することもある。
竜巻が間近に迫った時の特徴
竜巻の発生原因は積乱雲がもたらします。まず、積乱雲の接近を認識しましょう。
接近の兆しは、
大粒の雨や「ひょう」が降り出す。
ひやっとした冷たい風が吹き出す。
雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする。
真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる。
雲の底から地上に伸びる漏斗状の雲が目撃される。
飛散物が筒状に舞い上がる。
ゴーというジェット機のようなごう音がする。
気圧の変化で耳に異常を感じる。
AMラジオにノイズが入る。
竜巻発生確度ナウキャスト
竜巻の発生は竜巻発生角度ナウキャストで事前に想定できます。
竜巻などの突風は、規模が小さく、レーダーなどの観測機器で直接実体を捉えることができません。そこで、竜巻発生確度ナウキャストでは、 気象ドップラーレーダーなどから「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を推定し、これを発生確度という用語で表します。
竜巻発生確度ナウキャストは、竜巻の発生確度を10km格子単位で解析し、その1時間後(10~60分先)までの予測を行うもので、 10分ごとに更新して提供します。
竜巻発生確度ナウキャストは、分布図形式の情報として防災機関等に提供するほか、気象庁ホームページでも提供します。 また、民間事業者による携帯コンテンツサービスも準備されており、屋外活動での利用も可能になります。
竜巻などの激しい突風は、人が一生のうちほとんど経験しない極めてまれな現象です。従って、発生確度1や2程度の可能性でも、 普段に比べると竜巻などの激しい突風に遭遇する可能性は格段に高い状況ですので、発達した積乱雲が近づく兆候がある場合は、 頑丈な建物内に入るなど安全確保に努めてください。 なお、発生確度1や2が予測されていない地域でも雲が急発達して竜巻などの激しい突風が発生する場合がありますので、天気の急変には留意してください。
竜巻が間近に迫った場合の身の守り方
住宅内では
窓から離れる。
地下室か最下階へ移動する。
できるだけ家の中心部に近い窓のない部屋に移動する。
顔を下に向け、できるだけ低くかがんで、両腕で頭と首を守る。
オフィスビル・病院・高層ビルなどにいるときは
ガラスのある場所からは離れる。
窓のない部屋や廊下等へ移動する。
ビル内部の階段室も避難場所となる。その際、可能なら下の階へ移動する。
顔を下に向け、できるだけ低くかがんで、両腕で頭と首を守る。
エレベーターは停止する恐れがあるので乗らない。
外にいるときは
近くの頑丈な建物に避難する。
そのような建物がなければ、飛散物から身を守れるような物陰に身を隠し、頭を抱えてうずくまる。
強い竜巻の場合は、樹木や自動車などであっても飛ばされる恐れがあるので、 自動車の中などでも頭を抱えてうずくまる姿勢をとることが必要である。
「竜巻注意情報」は都道府県単位で発表されますが、実際に竜巻に対する注意が必要なのは積乱雲の近くにいる人だけです。 「竜巻注意情報」が発表されたからといってすぐに避難が必要なわけではありません。発表されたら、 まず空を見て積乱雲やその兆しが発生していないか確認してください。
日本の竜巻分布 年度別統計
突風分布図1
突風分布図2
突風分布図4
突風分布図5
竜巻 年度別統計
竜巻による被害の特徴
被害を受けた住宅と大破した自動車 平成24年5月6日:茨城県つくば市 写真提供:気象庁
裏返しになり大破したトラック 平成18年11月7日:北海道佐呂間町 写真提供:気象庁
飛散物による家屋への被害 平成18年9月17日:宮崎県延岡市 写真提供:気象庁
短時間で狭い範囲に集中して甚大な被害をもたらします。 被害は数分~数十分で長さ数km~数十km・幅数十~数百mの狭い範囲に集中します。
移動スピードが非常に速い場合があります。 過去に発生した竜巻の中には、時速約90km(秒速25m)で移動したものもあります。
建物が倒れたり、車がひっくり返ることがあります。 強い竜巻に襲われると、強い風によって建物が倒壊したり、車が転倒することがあります。
さまざまなものが竜巻に巻き上げられたり、猛スピードで飛んできます。 人やさまざまなものが飛ばされるだけでなく、巻き上げられたものが猛スピードで飛んでくることも竜巻の恐ろしさです。
建物の中にいても、飛んできたものが窓ガラスを割ったり、壁に刺さったりするので注意が必要です。 軽い木材であっても竜巻により猛スピードで飛来すると、簡単に住宅の壁に刺さったり突き破ったりします。